はぐれ雲から群雲へ
                    ―10話・混乱明けて―

鼠蛟の背に乗って崩壊した里から離れた一行は、滝隠れから離れた山の中で野宿する事にした。
幸いにも雨露をしのげる洞穴があったので、そこが今夜の寝床だ。
大して奥行きもない狭い空間だが、一晩の寝泊りには十分だった。
フウは食欲も湧かなかったらしく、食事もそこそこに1人早々と毛布に包まって眠っている。
身も心も極度に疲れていて、何も考えたくないといたところだろう。
心中を察して、誰も余計なことは言わずにそっとしておいていた。
ただ、まだ寝るにはかなり早い時間だったので、残りのメンバーは全員起きている。

「なぁ、フウとはどんな風に暮らしてたんだってばよ?」
狐炎が妖術で灯した焚き火に当たりながら、ナルトは向かいに座っている磊狢に話しかけた。
焚き火を枝でつついていた彼が顔を上げる。
「フウと?んー、いつも里の外れの方にある館で見張りつき生活。
世話する人は居たんだけどさ、昔から年の近い友達とかは誰も居なかったから、僕とずっと遊んでたよー。」
「ほー、じゃあおぬしが親代わりみたいなもんじゃの。」
緑のむじなと幼い少女がじゃれている光景を想像すると、大層ほほえましい。
きっと幼少期のフウは、唯一の保護者である磊狢にべったりだったろう。
「そうだねー。小さい頃から、そんな感じだったからね〜。
ちまちま付いてきてくれて、可愛かったよー。」
脳裏にまだ4つか5つの彼女を思い浮かべて、熱したチーズのように磊狢の顔がとろけた。
メロメロになるほど愛くるしかったらしいのは分かったが、未婚の若者としてはどん引きだ。
「いや、あの……のろけ聞きたいわけじゃ……。」
こんなところで親馬鹿になられても困るのだが、この親馬鹿が里を1つ滅ぼしたのだから恐ろしい。
もちろんそれ相応の実力があるからこそだが、
ナルトや老紫が危機になってもああはならないだろうと思うと、やはり親馬鹿は恐怖だ。
「うう、わしも『お父さーん、見てみて可愛いでしょー?』とか、一度でいいから言われたかったのぅ……。」
同じ未婚でも、老齢に差し掛かった老紫の方は受け取り方が違ったらしい。
取りそこなった幸せをおおっぴらに妬んでいる。
「じいちゃん、話が微妙に違ってるってば……。」
羨むのは勝手だが、想像がいささか飛躍しているようだ。
大体、磊狢はフウのお父さんではないし、ナルトが見る限りでは似たようなポジションとも言いがたい。
「羨ましいー?大丈夫だって、男なんだから頑張れば今からでもお父さんになれるかもよ?」
「さて、それはどうだか……。」
磊狢の前向きな励ましを、横から鼠蛟が即座に潰す。
医者からの不吉な一言に、老紫は反射的に青くなった。
「こりゃ鳥、何恐ろしいこと言うんじゃ!!わ、わしはまだ現役じゃぞ?!」
「さっさと枯れろ、馬鹿ジジイ。引退すればいい。」
喰いかかってきた彼に、鼠蛟はさらに冷や水をぶっ掛ける。
確かにもう老紫は年で、一般的には諸事情で子供を持つのが厳しい年齢だが、思ったままを口に出すとは情け容赦がない。
「おぬしこそ、とっとと引退せんか!無駄に長生き!四桁!!子沢山!!」
「引っ込め。去勢するぞ。」
これ以上言い募ったら、実力行使に訴える気らしい。鼠蛟の手元で、手入れが終わったばかりの小刀がきらりと光った。
「ぬぉ〜?!」
「ひ〜っ、ナイフ出すなってばよー!!」
恐怖の手術を連想した老紫は飛び上がり、ついでに隣のナルトまで腰を抜かした。
おかまにされる恐怖は全世代共通だ。
「いや〜ん蛟ちゃん、それは最終手段って約束でしょー?」
漫才でも見る気分の磊狢は大笑いしているが、馬鹿馬鹿しい騒ぎを傍で聞かされた狐炎は頭が痛くなってきた。
苦りきった顔で騒いでいる面々をにらむ。
「うるさい……。寝た子を起こす気か。」
疲れて寝ている人間が居る時に、下らない事で騒ぐのは褒められたものではない。
「すまない。馬鹿ジジイが、現実を認めなかった。」
「現実とは何じゃ!わしがもう種……むがが!!」
「じいちゃん、下品!女の子居るんだからやめろってば!」
まだしつこく食い下がろうとする老紫の口を、ナルトは急いで塞いだ。
いくらフウが寝ているといっても、これ以上の発言は紳士のエチケットに欠ける。
「ナルトでも出来る気遣いを出来ぬとは、程度が低いことだ。
まさにこれが馬齢を重ねる……フッ。」
狐炎が鼻で笑った。当然わざとおちょくっている。
「お前もなんでそこで、余計なこと言うわけ?!実は単にいじめたいだけ?!」
「そう聞こえたか?そんなつもりは無かったのだがな。」
何食わぬすまし顔で、ナルトの追求をあっさり受け流す。
―絶対わざとだってばよ……。―
本当にそんなつもりがないなら、最初からそんな解釈が出来ることを言うわけがない。
意地悪な冷血漢はこれだからと、ナルトは心の中でこっそり毒づいた。
「うう、腹が立つのう。ところで明日の事じゃが、ふもとの町にいかんか?
ここに降りる途中、近くに町が見えてたぞい。」
怒られて一応反省した老紫は、違う話を振った。
まだ今日は今後の事を話していなかったので、ちょうどいいはずだ。
「あー、それおれも賛成。ほら、女の子も居るし。」
今までは完全な男所帯だったが、今日からは年若い少女が加わったのだ。
自分も行きたいという私情を抜きにしても、ナルトも町に行くことには大賛成だった。
「忍に男女もなかろうが……しかし、悪くはないな。手近な町へ降りるとするか。」
「それで、いいと思う。」
荷物をあさりながら鼠蛟も同意する。多分、手持ちの消耗品を気にしているのだろう。
「何か足りぬものが出たか?」
「急ではないが、少し。」
食料は滝隠れに来る前に補充したばかりなので、大方彼の私物絡みだろう。
そうかと返事をして、狐炎は特に言及しない。
聞いたところで、医者の道具の事なら手出しできるはずもないという事なのだろう。
「ふう……それにしても、まさかこんな大騒ぎになるなんてな〜……。」
さっきも思い返してしまったが、昼間の事はナルトにも衝撃的過ぎて、未だに頭から出て行く気配がない。
ついつい、ため息と共に口をついてしまう。横で老紫も大きくうなずいて同意していた。
彼も頭の中でちらちらよぎるらしい。
「明日町に寄った後は、早く国外へ行った方が良かろうな。」
「じゃのー。」
多分、また長距離の移動になるだろう。慌しいが、一つ所に留まる危険の方が大きいので仕方がない。
しかし、今のままのフウをあちこち連れ回しても大丈夫なのか心配だ。
そう考えた老紫に名案が降りてきた。
「おお、そうじゃ。鳥、明日町に行った後、おぬしの実家にいったん寄らんか?」
「谷に?」
いきなりの提案に驚きもせず、鼠蛟が聞き返す。
「そうじゃ。あそこなら人間は絶対よりつけんし、何日居ても安全じゃろ?」
「そうだな。」
「え、そんなにいい所なの?」
ナルトは狐炎の本拠地が緋王郷という事位しか知らないので、いまいち会話についていけない。
老紫の口ぶりから、そこに人間が行こうとした場合、とんでもない場所が待ち構えているのだろうとは分かるが。
「そうだよー。蛟ちゃんちは険しい渓谷にあるからね。
不踏の渓谷って言うんだけど、聞いたことある?」
「う〜ん……あるような、ないような……。」
磊狢から名前を教えられても、やはりピンと来なかった。
修行の旅は諸国漫遊状態だったから、どこかでは聞いているかもしれないが、記憶はその程度だ。
2年半の旅の間に訪れた場所が多いせいで、かえって1つ1つの地名の印象が薄いのかもしれない。
「火の国の人間には、ほとんど知られておらぬからな。知らぬのも無理はない。
あそこは鳥の妖魔の本拠地ゆえ、人間は恐れをなして近寄らぬ。」
確かに妖魔がうようよしている土地には、例え忍者や侍でも近づきたくはないだろう。
まして妖魔王のお膝元では、実力者がひしめいているに違いない。
裏を返せば、人間の目を避けたい一行にとっては絶好の隠れ家だ。
「へー。じゃあ決まりだってばよ!……って、じゃあ明日町に行く意味とかある?」
「昨日の騒ぎが、どう伝わっておるかの確認は出来る。
それと、明日すぐ発つのではその娘の負担が大きかろう。」
ちらりと狐炎が視線を送る。あんなに騒いだにもかかわらず、起きている気配はない。
一般人でも起きてしまうような騒音だったのだが、どうやらフウは相当に疲れているようだ。
―大丈夫かな、フウ。―
ナルトも釣られて彼女の方を見る。とはいえ、夜が明けてみないと今はなんとも言えない。
眠って少しは元気になればいいのにと、祈るだけだった。


翌朝。洞窟の光から差し込む光と、一足先に目覚めた仲間たちが立てる物音に誘われて、ナルトは重いまぶたを開けた。
昨晩は結局、ずいぶん寝つきが遅くなってしまった。おかげで全く頭が冴えてこない。
「おはよー。」
「ふぁ……あー、もう朝かぁ。あれ、早くない?」
眠い目をこすって体を起こしたナルトは、もうすっかり身支度を整えているフウに驚いた。
どれ位前に起きたのかは分からないが、髪には寝癖の一本もない。
「一番先に寝たんだから、当たり前でしょ。何か変?」
お先にと言って、人間3人のためだけの朝食に手を伸ばす。
今日は川魚の串焼きらしい。洞穴の外でパチパチはぜる焚き火のそばに、まだ2本串に刺さった魚が残っている。
狐炎がそばで火の見張りをしていた。他の妖魔は、洞穴の外で好きにくつろいでいる。
「じいちゃん、朝だってばよ。」
魚が食べ頃のうちにと思って、ナルトは隣で毛布に埋まっている老紫の肩を揺する。
彼はもぞもぞと毛布の中で動いてこちらに向きを変えたが、あからさまに寝ぼけ眼だ。
「うーん……後10分寝かせてくれぃ。」
「はいはい、そんな事言ってるとじいちゃんの分食っちまうからね。」
ゆっくり寝かせる暇なんて、この一行には存在しない。
素直に起きないなら実力行使と、ナルトはさっさと立って魚の方に向かった。その途端。
「ぬぉっ、そうはさせんぞい!」
朝食をみすみす渡してなるものか。その意気で老紫はガバッと勢いよく起き上がった。
つい数秒前の眠気は、毛布ごと吹き飛ばしたらしい。
それともただ単にサボりたかっただけで、本気で眠かったわけではなかったのか。
「……。」
食事に釣られてやっと起き出した彼を、鼠蛟が冷めた目で見ている。
大方、食い意地しかない馬鹿ジジイとでも思っているのだろう。
今まさに目の前で、大人気ない勢いで魚を掻っ攫っていく光景を見せられれば、それも致し方ないことだが。
「あっはっは〜、おじいちゃんってば慌てん坊だねー。」
「ふん、わしの魚は誰にも渡さん!」
なかなか面白かったらしく、磊狢が大受けしている。
魚を見事死守したと思っている老紫は、意気揚々とほおばった。
食べ方があまりに豪快なので、骨が口の中に刺さらないか心配になるほどだ。
「別に、本気で取るつもりなんてなかったってば……。」
自分の魚の串をくるくる指で回しながら、流石にナルトも呆れて呟く。
一方火の番をする狐炎は、そんな老紫の態度にもあまり興味はなさそうだ。
「放っておけ。それはともかく、お前もあやつの扱いを心得てきたようだな。」
(サスケとかキバとか、あーいう風に言っとくと引っかかるから。
じいちゃんも引っかかるとは思わなかったけど……。)
本人に聞こえないように、ナルトは声を潜めてそう答えた。
単純な負けず嫌いは、こういう手に簡単に引っかかる。里に居た頃に学習済みだ。
ただし大人には通用しないことも多いので、老紫に通じるかはちょっとした賭けだった。
(同類という事だ。お前もさして変わらぬがな。)
(ひどっ!)
自分も単純な負けず嫌いにくくられて、ナルトはショックを受けた。
以前から彼を知る人にいわせれば、何をいまさらというレベルの話だ。狐炎の関心もすでによそへ移っている。
「ところでフウ、食欲はあるようだな。」
「まーね。お腹はいつでも空くでしょ。」
彼女の魚はもう綺麗に食べつくされている。食欲は十分だし、返答する声も明るい調子だ。
「そうか。なら良い。」
食欲がちゃんと湧くようなら、落ち着くのも少しは早くなるだろう。
分かりやすく心配するそぶりを見せたりはしないものの、狐炎は彼女への目配りは忘れていない。
もっとも、早く食えとナルトや老紫をせっつき始めたフウは、そんな事を知るはずもなかった。


山から降りた一行は、次の旅の仕度のためにふもとの町を訪れていた。
到着は昼近くで、昨日の件が人々の耳に届いているかの確認は十分取れそうな頃合いだ。
適当な店で老紫が新聞を買い、仲間と話しやすいように建物の影に持っていってからそれを広げる。
「うへぇ……。」
見出しを見て早々に、後ろから覗き込んでいたナルトが嫌そうな声を上げた。
一面の左半分を飾るのは、『山中の町、謎の大地震か』と題された記事。
その隣の行に一回り小さい文字で、建物はほぼ全て倒壊、推定死亡者数は7割か。と書かれている。
流石に国防に関わることなので場所は伏せてあるが、甚大な被害が出た事実は行政側も隠し切れないようだ。
やはり天災としか思えない規模に、改めて驚愕する。
「こりゃすごいのー……。」
記事の内容を把握した老紫がうなる。
掲載されている写真は、現場を写せないためか収容された多くの遺体が並ぶ光景だった。
白い布で全身覆い隠していても、一面に並べられるとぞっとするものがある。
彼らは全て、磊狢の怒りで死んでいった人々なのだ。
「ん〜、上々って所?」
「おぬしが言うな!おぬしが!!」
ナルトの横に割り込んできた張本人の不謹慎な発言に、即座につっこみが入った。
おしいと言わないだけまだマシかも、とナルトは考えてしまうが。
しかし反省の色の無さには、もう呆れるしかない。こんなときに限って、常識人のはずの狐炎が何も言わないのも困る。
そばに今も彼はちゃんといるのだが、磊狢をたしなめもしない。
ナルトと狐炎の付き合いはそれなりに長いのだが、価値観の相違はいまだ理解し切れない部分もあった。
「は〜……ところでじいちゃん、原因これじゃね?とか書いてある?」
「んー。色々書いとるが、まだよく分からんってなってるぞい。」
「そっか、うーん……。」
確かにさらっと流し読みする限り、目立つ記事の割に細かい情報が少ない。
昨日の今日だから、詳細が出揃わないのも当然だ。
それに事件が起きた場所を考慮すれば、この後はもう取り上げること自体ないかもしれない。
ナルトは、新聞からこれ以上の情報を得ることを諦めることにした。
「生き残りの証言が取れ次第、適当に書き換わるだろう。
内々ではあの娘のせいにされている可能性も高いが、どうだろうな。」
大名など政府の中枢は人柱力の情報を知らされているだろうし、封じられている妖魔の特性も多少は知っているだろう。
今回の悲劇のきっかけに暁の影があることに気づかず、全てをフウの暴走のせいと結論付けるかもしれない。
生き残りが居たとしても現場を知る人間が残っているとは限らないし、そこは仕方がない事だ。
「あ、そういえばフウは?」
さっきまで居たはずの少女の姿が見当たらず、ナルトはきょろきょろと見回す。
「一人になりたいと言って、別の場所にいる。」
「何、一人にしたんか?」
いくら今朝は元気そうだったといっても、今の彼女を良く放っておけるものだ。
老紫の声は自然と咎めるような語調になった。
「そんなわけがあるか。気付かれぬように鼠蛟がついている。」
「抜け目無いなあ、お前ってば。」
ナルトにとっては予想通りだったから驚かないが、そう言わずにはいられない。
彼はいつも、周りが必要だと思ったことはもう先回りしてやっているのが普通なのだ。
「ま、炎ちゃんだからね〜。」
「何じゃ、心配して損したわい。」
それならまあいいかと、老紫は納得した。
能天気な磊狢の態度には、疲れるので今はもういちいちつっこまない。狐炎も磊狢の発言は流してこう続けた。
「わしが頼むまでもなく、あやつが気にしておったのだ。」
「え?あの人が?ふーん……そっか。」
意外とまでは言わないが、一瞬聞き返す程度には理解が遅れた。
あまりそういう風には見えないが、結構優しいところもあるらしいと、ナルトは思った。
口に出さないだけで、それなりに仲間を気にかけているのだろうか。
「昨日から、あの騒ぎまではべったりだった磊狢と一言も口を利いておらぬからな。
あんな事態が起きた後では、しばらくは様子に注意を払う必要がある。」
「お前がそう言うのって、何か珍しいってばよ。」
「うむ、意外じゃの!」
ナルトと老紫は、失礼にも口をそろえて珍品扱いした。
日頃の態度でそう判断したのは本人とて承知だが、二人に向いた視線は確実に冷たくなる。
「全く……何を言うかと思えば。あの年頃の娘は、元々落ち着かぬものだ。
情緒不安定になるかも知れぬという予測を立てることが、そんなに意外か?」
狐炎は彼らが抱く印象の通り情が薄い方だが、仲間に冷淡すぎるわけでもない。
体か心のどちらかが不調をきたしているようなら、それ相応の気遣いは当然する。
彼に言わせれば、2人ともずいぶん失礼な態度だ。
「いや、だってお前ってばあんまそういう心配の仕方しないしさー……。
何?女の子には甘いのかなーって、ちょっと思っただけだってば。」
「お前という奴は……。
病人への気遣いと、五体満足の健康体への気遣いを一緒にしろと言っておるのか?」
慌てて取り繕うナルトに呆れて、狐炎はため息をつく。
日頃自分が厳しくされるから羨んでいるのだろうが、狐炎は別に性別で区別しているわけではない。
今の彼女に対しては、あくまで病人待遇のようなつもりでいるだけだ。
「あーもー、おれが悪かったって!」
これっぽっちもそう思っていないが、ナルトはわめいて話を打ち切った。
弁が立つ彼を相手に口で勝とうなんて考えは、無謀の極みに尽きる。
昨晩の老紫ではないが、こんな時はさっさと話題転換するのが吉だ。幸いに、ナルトには気になることが1つある。
「それよりさ、フウはどっち行った?」
鼠蛟がついているといっても、影から見ているだけだとしたらやっぱり心配だ。
何か出来る保証があるとは限らないが、出来るなら励ましの言葉の1つもかけてあげたいと思うのが人情である。
少なくとも、ナルトはそうしたいと思っていた。
「気になるのか?ならば行ってやれ。あの娘は向こうの門を出てすぐの丘にいる。」
狐炎が指した方向は、町の西側だ。町全体を囲む塀伝いに行けば、門はすぐに見つかるだろう。
「わかった。んじゃ、後でな!」
教えてもらったナルトは、すぐにそちらに向かって走り出した。


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大事を経て、七尾コンビが加入。ただ今回は尺を元に戻したので、ナルトとフウの会話は次回に持ち越しですね。
書きながら、何か皆してフウを気にしてるなと思ったのはここだけの話。
流れとしては当たり前ですが、普段心配なんて絶対しないような御仁も気を使ってるせいでしょう。
メンバー的に、人間の方が分かりやすく心配してますがね。
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