Title:花愛で

甘い声が暗がりに響く。
夜毎の秘め事は、麗しい花を愛でるためのもの。
色町の女も抱かないことはないが、愛しい女のその声は特別甘い。
熱に浮かされ潤む瞳と赤く染まった頬が情欲をあおる。
むしろ、それを鎮めてしまう要因こそどこにもない。
秘めるべき事とはいえ、原初の営みの1つであるこの行為はとても心地のいい事実を教えてくれる。
愛でる花がたとえ異種族であっても、今このひと時にその差はほとんど意味がない。
「やっ……!守鶴……。」
色づくつぼみを舌で転がし、蜜壷を弄ぶ。
加流羅の腰が、あたかも逃げるように座らされていた守鶴の足から浮く。
だが、これで逃がしてやるわけもない。
「逃げんなよ。」
意地悪にささやいて、ささやかな抵抗も気に留めず、
思うがままに愛しい恋人を愛でる。
その胸元に散らされた赤い花びらは、絶える事を知らない気もした。
1つ枯れてもまた次と、日ごとに花を咲かせる日々草のようだ。
もちろん咲かせているのは、他ならぬ守鶴であるわけだが。
「愛してるぜ、加流羅。」
夜は確かに長いが、それは眠るまでの時間次第。
さて今日はどの位の長さにしようかと、守鶴は気まぐれな思考を巡らせた。



色塗りまで達したこの類の絵としては、1〜2枚目に相当するブツ。ちなみに通算でです。
好き勝手やってるお狸様と適当にも程がある背景がポイント(撲殺
色々つっこみどころがあってもあえてスルーな心境が部分的にありますけどね。
すっぱはごまかしが利かないので、何だかんだで手間はかけましたよ。
ちなみに守鶴の足の模様は、このためだけに考えました(え
でもこの後の絵は……かけないんでまだちょっと無理ですね。修行修行。
文中の日々草は、よく夏頃に商店街とか学校の花壇に植えてある白とかピンクの5枚の花弁の花です。

―スピンして帰る―

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