Title:無法地帯の白

惨劇は一瞬で始まり、一瞬で終わった。
暗い裏道。陰鬱な空気と、よどんだ瞳のはみ出し者が溜まる吹き溜まりのような界隈。
どんなに治安に気を配っていても、
こういった場所はある程度大きな町では自然と生まれるもののようだ。
真っ当な法の支配など及ばぬ場所では、殺人さえも羽より軽い。
愚かで軽率なものは、喧嘩を売った相手に命を取られたところで笑いものになるだけだ。
それを知った上での行いだった。
一体何が元でこのような結末に達したのか知る由もないし、誰も関心を持たないが。



「あの世は遠いぜ。迷うんじゃねーよ?」
もうすでに肉塊と化した死体に、守鶴はせせら笑うように告げた。
右手はべっとりと血で濡れて、服にも顔にも返り血が飛んでいる。
むせ返るような臭気は、しかし元凶である彼にはさほど気にならないようだ。
もっともそれは彼に限らず、
生き物の命を奪うことに、生まれつき抵抗を持たないものならみなそうであろうが。



ふと、気配を感じて物陰に目をやる。
そこには見知った姿があった。
「!!……紫……電……?!」
物陰で、血に怯えて震える声。
歯の根が合わないとは、今の彼の様子を指すかのようにガタガタと震えている。
誰かに言われて探しに来たのだろうか。何とも間が悪い。
後もう少し遅ければ、死体も返り血も見ずにすんだのだから。
守鶴が彼に近寄ると、意思ではなく本能で我愛羅の肩がはねた。



血がほとんどついていない左手で、子供特有の細く柔らかい髪を撫でる。
「怖いよな?だから言っただろ?オメーは化け物じゃねぇって。」
以前我愛羅が、心無い大人に化け物となじられて落ち込んだ時に、
かけてやった言葉を思い出させる。
不思議とその目は優しくて、
返り血さえなければ、いつもどおりの彼といって差し支えない。
だからだろうか、半分べそをかきそうな顔のまま、我愛羅は目をしばたたかせて見上げてくる。
「ばっちいもんは、きれいさっぱり消しとかねぇとな。」
とんっとでこを指で軽く叩くと、我愛羅はまじないにかかったようにまぶたが落ちる。
そして、守鶴の言葉通りきれいに記憶は消されてしまった。
思い出すことがないように、魂の中からさえも拭い取る。
「じゃあ、帰るか。」
血が染み付いた上着は脱いでどこかに消してから、気絶している我愛羅をひょいと抱く。
里人達は知らない。彼らが恐れる「化け物」の真の恐ろしさが何たるかを。
そして何食わぬ顔で、彼は守るべき者が居る光の中へ帰っていった。
―END―

繋がってる落書きを挿絵状態にして並べて見ました。
作りがちゃちいのはご愛嬌。落書きですから(爆
その代わり、ミニ文を足して絵の中のセリフじゃ足りない部分を足しております。
砂の里内に勝手にえぐい場所を作ってますが、
俺に書かせると木の葉にも勝手に作るのでご安心下さい(全然安心できねぇよ
ちなみに守鶴の怖いところは、この場合これだけやらかしといても全然気にしないで家に帰ることですよ。
しかもばれないというオチ。

―スピンして帰る―

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送