Title:春の休暇

春真っ盛りの火の国。
非常に珍しいことに長めの休暇を3人揃って取れた三兄弟は、隣国にまではるばる足を延ばして花見に来ていた。
火の国で桜の5大名所に数えられる町に来た彼らは、
人が多くない場所に咲いていた桜の下でのんびり花を楽しんでいる。
「いやー、やっぱこの時期は桜がきれいじゃん!
やっぱこっちまで来てよかった!」
「そうだろう?近場より宿も食事もいいし。」
今回の旅行を計画したテマリは、行けば絶対楽しめると豪語していた。
国境なら近いのにとカンクロウは最初疑問に思っていたが、
町中が隅々までピンクに染まる町に来た瞬間、それは吹き飛んだ。
まだ荷物を置きに行っただけの宿もいい雰囲気で、夜が今から楽しみである。
「うーん、最高じゃん♪
……って、我愛羅!お前食ってばっかいないでちゃんと花見ろって!」
「さっき見たじゃないか。焼き鳥の何が悪い。花で腹は膨れないぞ?」
「おま……情緒ってもんないわけ?!」
花見に来て、ちょっと桜を見た後は食に没頭というのは如何なものか。
そんじょそこらに花がある他国の住人ならいざ知らず、
天然の花を見ようと思ったら一苦労の砂漠の住人とは思えない。
ちょっとはありがたみというものを噛み締めろと、カンクロウは弟につっこみたかった。
「そうだな……少なくとも、お前の顔には情緒の欠片もないな。」
「我愛羅〜〜!!」
「やれやれ、子供だなぁお前達。」
相変わらず兄に対して辛らつな我愛羅の言い草と、
聞き流せばいいのにご丁寧に腹を立てるカンクロウを傍観しながら、
テマリはけんかを止めもせずマイペースにくつろいでいた。



リク募集でリクエストしていただいた「砂三兄弟お花見」です。結構お待たせしてしまいました。
少なくともソメイヨシノの時期が過ぎてる気がしますが、まあそこは見逃してください(汗
桜に対する兄弟のリアクションの違いは、個人的なイメージです。
カンクロウは花に感動しそうなんですけど、我愛羅はいまいちリアクションが薄そう。
テマリはまあ普通かなとか。

―スピンして帰る―

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