※加流羅生存。代わりに風影死亡。エロです。
                       
 要らない随行者


やられた。
情けない気分になりながら、加流羅は額を押さえた。
病院に薬師として勤めていた頃の女友達の所に、久々に会いに行ったのだが、そこで一服盛られてしまったのだ。
いや、盛られたというのは正確ではない。相手に悪気はなかったのだ

以前勤めていた病院の調剤室。加流羅は友人に頼みがあって、ここに訪れていた。
「レイシ、居る?」
「あっ、加流羅じゃない!久しぶりね〜、どうしたの?」
丁度手が空いていた加流羅の友人・レイシは、久々に顔を見た友人をとても歓迎している。
以前と変わらず元気がいい彼女の様子に、変わらないなと加流羅は思う。
「最近、ちょっと疲れが取れなくて。
あんまり頼りたくはないんだけど、ちょっと分けてもらえない?」
本当は病院なのだから処方がなければ薬は出せないが、勝手知ったる元職場。
頼まれるレイシの方もその辺りは融通が利くし、お互い心得たものである。
主任も同僚もちょうど留守で、都合もいい。
「任せて!えーっと……これでいいわね。はい、調合済みだからこのまま飲んで。」
売薬にもなっている滋養強壮剤をあっという間に探し当てて、一本だけ加流羅に渡す。
「ありがとう。ごめんね、急に頼んじゃって。」
「いいのいいの。加流羅は3人のママだから大変だもの。それ飲んで、元気つけてね。」
あっけらかんと言う友人の心遣いは、本当にありがたい。
よき友人に感謝して、加流羅は病院を後にしたのだった。

そうしてもらった薬を飲んだところ、確かに疲れは取れたが余計なものまでくっついてきた。
いや、確かに元気でなければそんなものも男女問わず湧いてこないだろうが、
少なくとも飲んですぐに出るのは明らかに薬の作用だろう。
「誰よ……あんなところに、違う薬を混ぜたのは!」
レイシは、元同僚の加流羅から見ても優秀な薬師だ。
調合ミスはしないし、まして成分が違う薬を混ぜておいたり渡したりすることは無い。
大方、最近入ったというずぼらな新人辺りの仕業だろう。
それはそれとして、加流羅は湧いてきた余計なものの始末に頭を悩ませる。
「どうしてくれるのよ。これじゃあ、うかつに人前に出られないわ……。」
正確には、男性の前と心の中で但し書きをつけつつぼやく。
周りから散々言われてきたので、さすがに自分の容姿が人からどう見られるかを加流羅は知っている。
その手の事に関しては余分な雑学がないが、今の自分はそういう意味では結構悲惨だ。
分かりやすくいえば、狼が居る大草原にこんがり焼けた肉を放置するような状態である。
「こんな時、世話役が居る立場って助かるわ……。
早く鎮静剤を作らなきゃ。」
まだ赤ん坊の我愛羅も含め、3人の子供達の世話の半分は侍従が肩代わりしてくれている。
今は丁度任せている時間なので、作業をするなら今だ。
鏡に映る赤い頬と潤んだ目は無視して、必要なものを書き出そうとペン立てに手を伸ばす。
だが、ハプニングは団子になって転がってくるものである。
「おーい加流羅ちゃん、何そんなにばたばたしてんだ?」
「キャーーーー!!」
耳をつんざくような悲鳴が部屋中に響き渡る。
もし窓が開いていたら、賊かと誤解を招きそうな大音量だ。
普通に部屋に邪魔しに来ただけの守鶴にしてみれば、予想外にも程があるあんまりな反応だった。
「ひでぇっ!何で帰ってきただけでそんな反応されなきゃいけねーんだよ?!」
「び、びっくりさせないで!!今、ちょうど考え事をしてたんだから!」
「分かったけどよ、目っつーかこっち見てから言ってくれねぇ?」
すっかり漫才と化したやり取りながら、守鶴のつっこみは今の加流羅にとって鬼だ。
そっちを向いて話したいのは山々だが、向いたら即座にバレる。
守鶴には悪いが、今すぐ部屋から出て行って欲しいくらいだ。
―うぅ、どうしようかしら……。
もう少し時間が遅ければ、着替えるって手が使えるんだけど……。
こんな時間に寝る仕度なんてしないし、そんな不自然なことしたらそれこそ墓穴じゃない。
だ、大体なんで今帰ってきちゃうの?私が守鶴を騙せるわけないじゃない!!
黙り込んで悶々と考え込むが、当然うまい言い訳が浮かぶわけも無い。
加流羅の嘘は十人並みなのに、相手は騙しのエキスパート種族だ。
どうしろというのだろう。打開策があるのなら、聞きたいくらいである。
「何やってんだ?」
真横から聞こえた声に、加流羅は自らの完全な失策を悟った。
ギギギと、ぎこちない動きで声の方向を向く。嫌な汗が毛穴から噴出しているような気がした。
「え、えっと……な、なんでもないの。ちょ、ちょっと疲れてるだけだから、ね??」
「ふ〜ん、そーかぁ?」
にやりという擬音が聞こえそうなほど、守鶴ははっきりと意地悪な笑みを浮かべた。
「そ、そう見えなくてもそうなの!」
「いつも通りにしちゃあ、ずいぶん面白いにおいがするんだけどよ。」
忘れていた。守鶴が妖魔だということを。たぶん、嗅覚も人間より遥かに優れているであろうことも。
部屋に入ってきた段階で彼は気がついていたに違いない。
近づいて、確信に変わっただけだ。
万事休す。きっとまな板の上の鯉は、こんな気分なのだろう。
だが、加流羅はそれでもはねる鯉のように諦めも悪かった。
「……ばれちゃったんならしょうがないわ。
ええ、たぶんあなたが考えている通りよ。だから、今から沈静剤を作るつもりだったの。
だから――って、ちょっと!」
ぼふっと音を立てて、加流羅の体はベッドにダイブしていた。
もちろん、勝手にすっころぶわけはない。
たった今まで横に居て、今は真上に居る妖魔の仕業に決まっている。
「別にそんなしち面倒くせぇことしなくてもいいんじゃねーの?」
「あっ、あなたはそうでも、私はそっちの方がいいの!
今日は疲れてたから薬をもらいに行ったのに、何で余計に疲れることを……ん!」
言い切る前に、口で口を塞がれた。
口付けは深く長く、口内を蹂躙する舌は抵抗する気力をごっそりと奪ってしまう。
暴れそうになった腕は、しっかり押さえつけられていて動けない。
「……はぁっ。」
長い口付けから開放された加流羅の唇から、熱っぽい吐息が漏れる。
体の火照りと高ぶりを示すそれは、実になまめかしい。
「一個、種族を問わねぇ真理って奴を教えてやるよ。」
「それって、もしかして……。」
「そ。据え膳食わぬは男の恥……ってな。」
目の前に供された、しかも極上の食材で作られた食事を辞退する者はそういない。
本人の本意ではないとはいっても、美女に誘惑されて乗らない男は男をやめた者くらいだ。
当たり前の文句だが、裏にある清々しいまでの開き直りが見えるのは気のせいか。
「やっぱり……言うと思ったわ。ああ、もう……。」
悪びれなく言い放った守鶴の態度に、トホホな気持ちで加流羅の頭は一杯だ。
しかも、今の口付けだけで体がはっきりとその行為を求め始めた。
まな板の上の鯉は、びちっと最後に尾をはたいたっきり、抵抗を諦めたのであった。


普段着ている長袖のワンピースは、するっと取り払われた。
薬の余計な成分のせいですっかり敏感になっている加流羅の肌は、
触れられた場所によってはそれだけでむずがゆい刺激を伝えてくる。
反射的な体の震えは抑えがたい。
「どうしようもないわね……こういうのって。」
「別に恥ずかしくはないぜ。
どうしようもなくするんだろ?こういうのはよ。」
そうでなければ、この手の薬の存在意義はない。
元々その気がなかったり、淡白だったりする相手をその気にさせる代物なのだから。もちろん、感覚を鋭敏にする作用も本分のうちだ。
「それはそうだけど……ゃぁん。」
薬のせいで、触れられても居ないのに加流羅の双丘の頂きはその存在を主張していた。
それだけに、少し触れられただけで痺れに似た甘い疼きが走る。
3人も子供を生んでいても、薬で感覚を敏感にさせられた経験はない。
まるで自分の体ではないような感覚に、加流羅は戸惑う。
「あっちこっちで火の手が上がってそーだな。」
「その言い方、笑っていいのかどうか悩むから、やめて……。」
言いたい事は大体分かるが、言われると具体的に想像してしまうので勘弁して欲しい。
彼の独特の言い回しは普段なら笑って済ませるが、こういう時はリアクションに困ってしまう。
「まぁ、燃えるんなら燃え尽きるまで付き合えばいいだけの話だ。」
楽しそうに呟いて、守鶴は加流羅の首筋をなめ上げる。
「っ、はぁん!」
同時にすでにとろりと潤った蜜壷の口を指で軽くかき回されて、加流羅は思わず高い声を上げた。
誰かに聞こえたかもしれないと思って、いまさらながら口元を押さえる。
すると守鶴が薄く笑ってこう言った。
「大丈夫だ。聞こえる範囲には誰も居ねぇ。
けど、確実にばれねーようにするんだったら……――。」
守鶴がぼそぼそと小声で呪文を唱える。幻術を使ったようだ。
もちろん忍術の中のそれではなく、妖術の中のそれだ。
どんな術を使ったかは知らないが、守鶴の術なのだから効果は確実だろう。
「……何をしたの?」
音が聞こえないようにでもしたのだろうか。
だいたい効果の予想はつくが、事が事だけに気になる加流羅はつい聞いてしまう。
「気にすんな。よーするに……いくら騒いでもバレねぇ術って事だ。
せっかくの美声は聞いておきたいからよ。」
「何言ってるの……馬鹿!!」
恥ずかしさで耳まで赤くなった加流羅は、勢いに任せて守鶴の頭を引っぱたく。
非力な加流羅の力で人間より頑丈な妖魔を叩く意義はほとんどないが、気分の問題だ。
「いてっ!か〜っ、3児の母は厳しいぜ。」
大して痛くもないだろうに、守鶴はまた軽口を叩いて大げさに息を吐く。そういう彼は、果たして何児の父親だろうか。
以前に加流羅が聞いてみたところ、確か人間には想像もつかない数だった覚えがあるのだが。
「つっこみいれる余裕は、そういつまでも残しといてやんねーぞ。」
耳たぶを甘噛みしつつ、守鶴は加流羅の敏感な場所に指を這わせた。
背筋をぞくっと駆け上がるものを感じて、加流羅はびくっと体を震わせる。
耳が敏感な加流羅にとって、これはたまったものではない。
「や……ぁぅ……。」
艶めいた嬌声がまた唇から漏れる。
あちらこちらを触れられて、何でもなさそうな場所まで敏感に反応した。
既に火がついていた体は、それこそ各所で火の手が上がったように熱い。
言葉の通り、すぐに余裕を取り上げられた気がする。
その熱がもどかしく、加流羅は身をよじる。
「せっかちだな、加流羅ちゃん。」
意地悪に茶化しながら、再び蜜壷をかき回し始める。
敏感な場所を弄ばれたために潤いを増したそこは、指をあっさり飲み込んだ。
「分かってるくせに……あぁん!言わないでぇ……。ひぅっ。」
いささか強い刺激に襲われて、加流羅はまた身をよじった。だが、逃がすつもりは毛頭ない。
反射的に逃げそうになった加流羅の腰を捕まえて、徐々に指を増やして慣らしていく。
「あっ、あぁ!」
加流羅の全身が、痙攣したように震える。どうやら絶頂を迎えたらしく、荒い呼吸で軽い放心状態だ。
「ちょっと強すぎたか?」
守鶴が加流羅の顔を覗き込んで彼女の髪を混ぜ撫でる。
とろけた孔雀石の瞳が、ぼんやりと守鶴を見つめ返してきた。
「ん……だいじょう、ぶ。ねぇ……もう―。」
ややためらいながらも、加流羅はそれとなく守鶴を求める。
その言葉に応えた守鶴は、ためらうことなく加流羅の中に自身を入り込ませた。
そこは溢れる蜜でとろりと潤い、彼を待ちわびたかのようにすんなりと受け入れる。
「はぁっ、あぅ……やぁぁっ!」
びくびくと体を震わせて、加流羅は細い腕で守鶴にしがみつく。
少し動くだけで、痺れるような感覚が全身を駆け抜ける。
今まで経験したことのない快楽に耐える彼女の息は、さらに荒くなっていった。
そんな彼女を守鶴は愛しげに見つめ、深い口付けを加流羅に与える。
そしてそれが合図だったかのように、加流羅を何度も激しく貫いた。
「あぁぁっ!やぁっ、はぅ!守、かくぅ……!」
途切れ途切れに名を呼んで、強すぎる快楽に耐えるようにすがる腕に思い切り力を込める。
細い腕のどこにそんな力があるのかというほど力は強く、しかも背に思い切り爪を立ててきた。
だが、人間よりも遥かに頑丈な守鶴にとって、
それは加流羅の可愛らしさを強調するためのものでしかない。
大して痛いわけでもないし、仮に傷がついたとしても妖魔の治癒力であっという間に治ってしまうのだから。
「加流羅……。」
可愛くて仕方がないというように、熱のこもったささやきを加流羅の耳に贈る。
「やぁっ、いや……あぁっ!」
もはや返事もままならない加流羅の口の代わりに、柔らかな彼女の内側が答えるように反応を見せた。
反応の具合から、加流羅の限界が近いことを守鶴は悟る。
そして。
「あっ、やぁぁぁぁっ!!!」
ひときわ高く声を上げて、加流羅は頭の中が真っ白に塗りつぶされる境地へ達した。


「……けだもの。」
毛布に包まった加流羅が、恨めしげにぼやく。
「一字多くねぇ?」
獣ならともかく。そういう風な含みのあるつっこみが即返ってくる。
「だって、そうじゃない……。」
結局加流羅は、薬の余計な作用が解消したことと引き換えに、心身ともに疲れる羽目になった。
今日、知り合いの元に行った労力はたいしたものではないが、空しさがこみ上げてくる。
もし今の彼女が八つ当たりしても、絶対にバチは当たらないだろう。
「これでも手加減したんだぜ?」
「じゃあしなかったら……って、聞かない方がいいわね。忘れて。」
たぶん、気が済むまでという恐ろしい返事が返ってくるだろう。
妖魔の体力がどこまで持つかは知らないが、少なくとも人間はついていけそうもない。
「安心しとけ。そこまでやった事ねぇから。あ、そーだ。忘れてた。」
「忘れてたって、何を?」
そもそも何か用事があって、守鶴が部屋に来たことに遅ればせながら気がついた。
相当後回しになっているのは言わずもがなだが。
脱ぎ捨ててある自分の服を漁って、守鶴は小さめのビンを取り出した。
「こいつだよ。つーか、最初はこれを渡しに来たんだよな。」
「ありがとう。これは薬?」
「ま、滋養強壮剤だな。ついさっきまで作ってた。」
「そうなの。見たことがないタイプね……。何が入ってるの?」
「言っとくけど、人間には手に入らねぇもんも入ってるぜ?
知りたけりゃ後で材料くらいネタばらしするから、さっさと飲んどけ。」
「じゃあ、後で教えて。」
もらった薬は液体状なので、そのまま飲める。さらっとしていて、苦くはないが少々辛味があった。
一体何が入っているのかますます気になる味だが、苦味は平気でも、辛い物はそれほど得意でない加流羅にはややつらい。
「辛っ……!」
ぴりぴりと刺すような辛味が後を引く。ちょっと水を取りに行こうと決め、加流羅は服を探し始めた。
「おーい大丈夫かー?ほれ、水。」
守鶴はベッドの横のサイドテーブルに置いてある水差しから水をついで、
辛さで軽く悶絶しかかっている加流羅に水を渡す。
「うぅっ……ありがとう。」
もらった水を一気にあおる。
それでもまだ味が少々口に残ってしまっているが、これは仕方がない。
空になったコップと薬の容器は守鶴に渡さず、少し遠いが体と腕を伸ばしてベッドの横のサイドテーブルに置く。
その際に守鶴を少々踏んだが、それはご愛嬌である。
「ま、味は勘弁してくれよ。
その代わりに、人間でもこいつを飲んで一晩寝れば疲れは吹っ飛ぶからな。
最近疲れてただろ?」
「気づいてたの……。」
大雑把な性格の割に、こういう事にはよく気がつく。
加流羅は気づかれないようにしていたつもりなのだが、彼にかかれば大概のことはお見通しのようだ。
伊達に種族の長を務めているわけではないらしい。
「あたりめーだろ。ついでにシスコンも知ってたぜ。」
「あらら……夜叉丸にはやっぱりばれてたのね。」
双子の弟には、昔から無理するとすぐに気づかれていたので、これにはいまさら驚かない。
曖昧に笑って済ませる。
「どーする?このまんま寝るか?」
「……寝巻きを着てからね。あなたも……早く着たら?」
今更ながら、何だか恥ずかしくなった加流羅は、少し言葉をつまらせつつそう言った。
「ちょっと惜しいけどなー。丸一晩居るとばれちまうし、しょうがねぇけど。」
「惜しい?」
髪の毛をいじられながら、意味ありげな言葉に首をかしげた。
一晩居たら、今夜の行いが外にばれるということは分かるのだが。
「どうせなら、もうちょっと構いたいんだよな。」
「っ、何言ってるの!?」
さっきの行いが行いだけに、守鶴の言葉をそういう風にとらえた加流羅はかぁっと顔が赤くなる。
先程でさえなし崩し的だったというのに、2度3度はごめんだ。
何故かは自分でも分からないが、直感的にまた手が出た。
「だ〜っ、変な意味じゃねぇよ!!何か今日はすぐ手が出るな、おい!」
飛んできたパンチを腕で受け流しつつ、守鶴は盛大なつっこみを入れた。
自分が誤解を招くようなことを言ったという事実は棚の上だ。
「いいでしょう?あなたはちょっと位痛くもかゆくもないんだから!」
「ぶっちゃけ半分は八つ当たりだろ……。オレ様はサンドバッグかー?
確かに砂の守鶴って言われるけどよ、砂違いじゃねぇか。」
今の攻撃はちゃんと止めたが、少なくともさっきは一発殴られている。
妙なしゃれを言いたくなるのも道理だろうか。
もっとも、そうめったな事ではおとなしく殴られてくれない上に、
むしろ自分が他人をボコすことが圧倒的に多い凶暴なサンドバッグだが。
「とりあえず、これ以上居るとま〜た殴られそうだから、オレ様は退散するぜ。
何回も殴られる趣味はねぇし。」
「私が猛獣みたいに……。」
八つ当たりに関しては否定できないところがあるので、守鶴から目を背けて加流羅は軽くむくれた。
「少なくともご機嫌は斜めだろ?ま、ゆっくり休んで元気出せよ。」
いつの間にか身支度を整えて元通りのいでたちになった守鶴は、ひらひらと手を振って出て行った。
部屋に残った加流羅も、先に身につけていた下着の上に寝巻きを着た。
さっき自分で言ったことでもあるし、今日は早く寝てしまおうと考えながら、昼間着ていた服もきちんと片付ける。
「……もう少しだけ居てくれても、良かったんだけど。」
先程まで守鶴が居た辺りのシーツに手を置いて、加流羅はくすっと笑った。
今日は妙に酷い扱いをしてしまったから、明日はお詫び代わりに何かしてあげてもいいかもしれない。


―END― ―戻る―
何だかそんなつもりはなかったのに、加流羅が2回も守鶴を引っぱたいてます。
ついでに彼が1回目だけ素直に食らってくれるのは、怒りの荒熱をとるためかも(謎
しかし何で自分でこの2人を書くと、暗くなるかコントの2択しかないのか……。
3人生んだとは思えない初心なママと女好きドS妖魔という組み合わせだからかも。
少なくとも、話を明るくしたらギャグに走る原因はこれに違いないと勝手に思ってます。
あ、エロシーンが短いって苦情は勘弁してくださいね。良い資料をお持ちくだされば別ですが(何言ってんのこの人

(2007/6/23 加筆・修正)

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