連作小ネタ置き場。
1つ1つは超短いですが、つなげて読めば多分ちょっと短めな他の小説位の長さ。

Title:脱力一家波風家
文字通りなネタ。似たもの親子の日常ネタ。
ナルトはアカデミー入ってすぐ位。ママは色々な意味でナルトと同レベル。パパは基本ボケ倒し。つっこみと落ちは狐炎。

1.朝の軽いジャブ 2.母の悩み 3.母の伝説






























1.朝の軽いジャブ
今日も平和な朝の始まり。爽やかな朝日に、可愛い妻と子。
自分はなんて幸せなんだと、ミナトは今日ものろけた頭でリビングにやってきた。
「おはよーナルト〜。」
「おはよー父ちゃ……ぶっ!」
朝の挨拶を交わしたとたん、ナルトが仰天した。
「え?どうしたんだい?」
「鏡を見ろ。話はそれからだ。」
何がなにやらさっぱりな彼に、息子に封印した妖魔・狐炎が冷ややかな助言をよこした。
「え?あー!!」
洗面台に向かったミナトから、裏返った悲鳴が上がった。
そうかと思ったら、血相を変えてリビングと一続きの台所に駆け込んでくる。
「クシナ〜〜!酷いじゃないかっ、今日仕事なんだよ?!」
「えー、いいじゃない。黒マジックじゃないし〜、セーフだってば♪」
顔に落書きをした張本人は、あっけらかんと笑っている。
自分で夫の顔に書いた額の「肉」を見て大笑いしているが、反省の色は全くない。
「セーフじゃないよ、口紅落ちないじゃないかー……うう。」
「はい父ちゃん、母ちゃんのメイク落とし。」
石鹸で落ちない凶悪ないたずらに嘆くミナトに、
いつの間に持ってきたのかナルトがクシナのメイク落としを持ってきた。
「ああ〜っ、ありがとう、ナルトはおれの救世主だよ〜!」
「……馬鹿親が。」
ぎゅうっと潰す勢いで息子に頬ずりするミナトに向けて、狐炎は冷ややかにつぶやいた。


:口紅で落書きされてるときに起きればいいのに。そう言ってはいけない。

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2.母の悩み
「ねー、ちょっと聞いてよミナト!ミナトってば!」
「う〜ん?何?」
ソファに寝転がって漫画を読むミナトの頭の方にやってきて、クシナが急に騒いだ。
話半分ながら耳を貸すと、大きなため息をついて彼女はこういった。
「あのね、ナルトがさっき宿題に困ってるみたいだから、見てあげるって言ったのよ。
そうしたら何て言ったと思う?」
「もしかして、『いい』って言われたとか?」
「そうそう!この間見てあげたら喜んでくれたのに、何で〜?!」
「ま、まさかナルト……反抗期?!これは由々しき事態だよ、ねえ狐炎君!」
がばっと体を起こして、芝居がかった言い方で狐炎に呼びかける。
すると、机に向かって木彫り細工に勤しんでいた彼が、面倒くさそうに首だけ向けてきた。
「遠慮の1つもしたくなると思うがな。
クシナが見た宿題、7割違っていたとあれが言っておったぞ。」
さらっと告げられた衝撃の真実。夫婦そろってあごが落ちた。
「うっそー、超自信あったのに〜〜!!ショックーー!」
「元気だしなよ。仕方ないって、アカデミーもこの頃は僕らの時より難しくなってるって言うしね。」
頭を抱えてどん底に落ち込んだ妻を、一生懸命慰めに回る夫。
―ただ、言い回しがくどいだけの文章題だったがな……。―
毎度毎度あほらしいと思いながら、冷たい妖魔はまた木を削り始めた。


:息子は優しいので、7割違ってたことは黙ってます。ちなみにナルトが自分で答えると9割間違える。
 父が手伝ったら親に頼んだ甲斐がある感じ。

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3.母の伝説
ある日、クシナが出かけていた日の昼ご飯の席でのこと。
親子でそうめんをつついている時、ナルトが話を切り出した。
「ねえ父ちゃん父ちゃん。」
「ん、どうしたんだい?」
「あのさー、この間授業参観あったじゃん。」
「あったね。何か面白い事あった?」
先日、ナルトが通うアカデミーは授業参観があった。
残念ながら火影の仕事で多忙なため、ミナトは出られなかったのだが。
「それがさー、来てたよその父ちゃん達ってば、
母ちゃんが遅刻して入ってきたとたん凍ってたんだってばよ。何でか知らない?」
その日の授業参観は屋内の訓練場だったのだが、
そこにクシナが入ってきたとたん、一部の父親達の顔がいっせいに凍りついたのだ。
たまたまそれを見てしまったナルトには、それが大層妙な光景に見えた。
「ああそれはね、きっと昔お母さんと喧嘩してた事がある人達だよ。」
「けんか?」
「うん。クシナは昔から男勝りで強かったからねー。
からかってくる子達を半殺しのコテンパンにしてたものだよ。
3人まとめて返り討ちにするあの時の雄姿……男心に感心したなあ。」
ふうっと、何故か頬を赤らめて思い出に浸るミナト。
それに気づいているのかいないのか、息子は母の武勇伝に目を丸くした。
「まとめて?!うわっ、母ちゃんすげー!おれもその位強くなりたいってばよ!」
「単に、血の気が多い娘だったという事か。」
横で緑茶を飲みながら、大した感慨もない様子で狐炎が総括する。
「短くまとめないでよー。色気ないねもう。」
「まかり間違っても控えめではなかろうが。
それと、年甲斐もなく口を尖らせるな。見苦しい。」
何も間違った事は言っていないと思っているので、ミナトに抗議されてもつれない返事しかしない。
しかし根本からしてクシナに盲目な彼は、机をこぶしで打ってさらに主張する。
「そこがいいんじゃないか!」
「やれやれ……全く、嫁馬鹿も大概にしておけ。」
「えー、いいじゃん別に。狐炎ってばお堅すぎるってばよ。」
「強い女の良さが分からないんだよ。ほっとこうねー。」
凶暴の間違いだろうと、賢明な狐炎は口にしなかった。


:流血沙汰はさすがにやってないと思うので、半殺し伝説はたんこぶタワー位だと思ってる。

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