投げっぱなしショートショート(?)の置き場。
1つのテーマで5つを目安にした連作。1つあたりは短いです。また、欠番は後日追加(アイコンに追記されます
たまに混ざってる死ネタは注意書きつき+本文が灰色なので、苦手な方は読み飛ばしてください。
カップリングはウタカタとホタル。文中で神疾は霹靂(偽名)と呼ばれることもあります。

Title:居候中 (完) 
ホタルと遁兵衛がお住まいの砦に居る時の話。基本的にアニメに沿ったネタです。
ノリは軽めないし普通。5はぐだぐだ。

1.無茶振り 2.無茶振り2・その1 3.無茶振り2・その2 4.故意と悪意と殺意のロンド(下ネタ) 5.伸し餅と丸餅 6.餅議論の後






























1.無茶振り
「あーあ、ずぶ濡れじゃねーか。ったく、お前もえぐいよなー。」
水面に立って見せろというウタカタの課題に意気揚々と挑み、あっけなく水に落ちたホタルを眺めて、神疾はため息をついた。
一方、原因を作った張本人は涼しい顔で寝転んでいる。
「弟子入りさせる気なんてないからな。
数日で出来るものでもないし、これで諦めるだろう。」
簡単なようで難しいコントロールだから、あの調子ではみっちり特訓したってしばらくかかるだろう。
そう踏んで、ウタカタは高みの見物を決め込んでいる。
「あのなー……。」
「鬼の目にも涙か?それとも君は、意外とフェミニストだったとか?」
「それ以前にお前が大人げなさすぎだっつーの。
ったく、見てらんねー……。おーいホタル!馬鹿やってると足がつるぞー!」
ほとんど跳躍するように飛んだ勢いそのまま、神疾はホタルを引き上げに行ってしまった。
以前、どんくさい奴を見ているとイライラすると言っていたから、本人としては原因を取り除きに行ったつもりだろう。
「……やれやれ、お人好しの連れにも困ったものだな。」
妖魔にこの評価は変かも知れないが、ウタカタにはそう見える。
助けたいならそれは勝手だが、
うっかり水面に立つチャクラコントロールの手ほどきまでされたら困るなと思いながら、軽く肩をすくめた。


:神疾は世話焼き体質。

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2.無茶振り2・その1
日がとっぷりと暮れて、こうもりが虫を目当てに空を飛んでいる。 そんな空の下で、威勢のいい声が聞こえた。
「ホタル様、その調子です!そのまま流れを保って……。」
「はい!」
お題を出したウタカタがはなから弟子にする気がないとは露知らず、
水面歩行に続き今度は水乱波をやれと言われたホタルは、お守役の遁兵衛を付き合わせて今夜も修行に打ち込んでいた。
それを暇潰しに傍観していた神疾が、急に口を開く。
「なあ。」
「どうしました?」
「こんな遅くまでじいさん付き合わせて、何でそこまでむきになってんだ?」
「もちろん、ウタカタ様に弟子入りするためです!
私はとにかく、強くあらねばいけないんですから。」
「じいさんがつけてくれた修行だけじゃ足りないってか。
だったら、とっととどっか手頃な奴に弟子入りにでも行けばよかったんじゃねーの?」
気合十分フルチャージといった風情のホタルに、至極当然の指摘をした。
別に神疾は忍者を大真面目に観察したことなんてないが、
一晩の奮闘で課題をクリアする様子を見ていれば、遁兵衛が基礎の技術をきちんと教えている事位すぐにわかる。
「それでは砦に遁兵衛が1人になってしまいます。出来ません。」
「あ、そ。それにしたって、何で術を守るのがお前らだけの仕事なんだ?他には居ねーのか?」
彼らが一族の誇りと大事にする割に、他の人間が見当たらないのは不自然だ。
しかし、それを尋ねると2人とも顔を曇らせた。
「……それは、すみませぬ。」
「分かったよ。じゃあ聞かねー。」
大方込み入った深い事情というやつなのだろう。
別に立ち入った話を聞きたいわけではないので、そのまま流す。
「とにかく、今はウタカタ様の課題をクリアする事が第一です。よし……あと少し!」
「何だかんだでお前、覚えるのだけは早いよな……。」
最初はおもちゃの水鉄砲くらいしか出なかったのに、今じゃちょっとした噴水程度に進化している。
この上達の速さが修行に付き合う遁兵衛は嬉しいようで、神疾のやる気ない一言にでさえ頬を緩ませた。
「はい、ホタル様は昔からとても筋の良い方ですから。
水遁への適正があるとは思いませなんだが、これに気付けたのもウタカタ様のおかげですな。」
「ないない。あいつそんなつもりじゃねーから。」
遁兵衛は喜んでいるが、それだけはありえない。
他は流しても、これだけはきっぱりと否定しておかないと神疾の気がすまなかった。
あのひねくれ根暗男に限って、それだけはありえない。
「いいえ、課題のおかげです!何でも挑戦してみるものですね。」
「あーはいはい、おめでてーこった。」
目を輝かせるホタルに反比例してテンションが下がるのを彼は実感するが、もうどうでも良くなりつつあった。
このお気楽なまでに前向きな思考回路は、多分死んでも直らない。
「あー、どういう意味ですか?!」
「ほらほら、ホタル様。」
むくれた彼女を、慌てず騒がず遁兵衛がなだめる。
「はっ、いけない!続きをしないと……。」
「そうです、ここが正念場ですぞ!」
「はー……飽きねー奴ら。」
この調子で水量が増えていくなら、多分もうすぐ合格水準に達するだろう。
―まあどっかの亀の津波とか見ちまってる身としては、こういう術って水鉄砲にしか見えねーけどな……。―
さりげなく知り合いが繰り出す豪快な光景を思い出しながら、
神疾はまだまだ続きそうな修行をつまらなそうに眺めた。


:ホタルは超ポジティブシンキングだと思ってます。遁兵衛さんも基本的に前向きに励ましてそう。

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3.無茶振り2・その2
果たして修行開始から何時間経ったことだろう。
老体の遁兵衛は途中で引き取り、とっくに丑三つ時は過ぎ、そろそろ空が白み始めてきた。
そんな時間になってついに、ホタルの水乱波がついに綺麗なラッパ型になった。
「やったー、出来ました!これで師匠になってもらえます!」
「おー、おめでと。あいつが起きたら顔にぶっ掛けてやれよ。」
会心の出来に大喜びする彼女に投げやりな祝福をする。
それにしても、完全徹夜なのにどこにそんな元気があるのだろう。妖魔じゃあるまいしと、神疾は胸中で呟く。
「そんな事はしません。はぁ……それにしても、もう夜明け前なんて。
いつの間にそんなに経ってたんでしょう?」
「そりゃ一晩ぶっ通しでやってりゃーなー。」
結局一晩これで暇を潰したなと思いながら、あくびもせずに端から白んだ空を眺める。
もう夜どころか早朝と言った方が適切だ。今頃の町に行けば新聞屋が駆け回っているだろう。
「それもそうですね。ずっと修行を見ていただいてありがとうございました。」
「は?別におれは何にもしてねーよ。」
いきなり頭を下げられても、何の事やらさっぱりだ。
「そんな事はありません。助言を頂いてます。」
「それって、『しょべー』とか『どこ狙ってんだよ』とか、そういうのの事じゃねーよな……?」
忍者ではない神疾は水遁なんて使えないから、修行を見たといっても文字通りそばで眺めていただけだ。
少なくとも、一般的に言うアドバイスの類は言った記憶がなかった。
「いいえ、感想も貴重なお言葉に変わりはありません。おかげで狙いもちゃんと定まりますよ。ほら!」
「だからってこっちに飛ばしてくんじゃねー!」
体得したての水乱波が飛んできたが、気配を感じた段階で飛んで逃げた。
怒鳴って抗議したが、ホタルはというと神疾の鮮やかな身のこなしに無邪気に感心している。
「わあ、さすがです!袖も裾も濡らさずに避けるなんて!」
「けっ、このくらい朝飯前……じゃなくて!
あいつに見せるんだろ?とっとと行ってきやがれ!」
「はい!」
つぶらな目で可愛い顔に似合わず神経が太いというか、追い出されるような扱いをされてもちっとも応えていない。
それどころか、早くウタカタに見て欲しくてたまらないというようにさっさと駆け出してしまった。
「……疲れる奴。」
憎めないが、波長が合わないせいで話していると疲労感が半端ないのは気のせいか。
いや、気のせいじゃないなと思い、神疾は深いため息をついた。


:一晩観察し続けるのも相当な暇人。他に見るものもなかったという事で。

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4.故意と悪意と殺意のロンド(下ネタ)
妨害をヤマト達の協力で何とか切り抜けたナルトとウタカタは、
相棒の妖魔2体と一緒にようやく首謀者・シラナミの下にたどり着いた。
敵は禁術の発動準備でもしていたらしく、虚ろな目のホタルは上半身が半分露出させられている。
あられもない姿でナルトの怒りはいきなり頂点だ。
「てめぇ、ホタルに何しやがった!」
「くくくくく……。」
問い詰められたシラナミは下卑た笑いを浮かべている。4体1の癖に余裕の態度が癇に障る。
「あのなあ、もうネタは上がってんだよ。」
「何の事だ?」
いかにもな台詞を吐いたシラナミは、この期に及んでとぼけるつもりらしい。
しかし、その余裕は次の神疾の一言であっけなく崩されることとなる。
「どうせいかがわしい事やってたんだろ。分かってんだぞこのロリコン!」
『!!』
ナルトとウタカタの顔から一瞬色が消えた。
その思考停止の後、一気にシラナミを見る目が冷たくなる。
「えっ、いや――。」
「何が違う?口にするのも汚らわしいが、ごろつきが女を根城に連れ込んですることといえば、大抵は……な。」
妙な方向から切り込まれてしどろもどろする彼に、今度は狐炎が追い討ちをかける。
人柱力2人の周囲の気温は急降下していった。遠回しでも意味は通じる。
ウタカタが拳をわなわなと震わせた。
「それはつまり××××だの××××だの、そういう事か……?シラナミ、貴様ぁぁぁぁ!!」
「何ーっ?!テメー、絶っっっ対、絶ぇ対許さないってばよー!!」
怒りの余り、ぶわっと両者から妖魔のチャクラが噴き出す。
「大体一族復興とか持ちかけてる段階で、いかがわしいと思ってたんだ!
俺の女に手を出した罪は万死に値するって、今すぐ思い知らせてやる!というわけだから手伝えナルト!!」
「もちろんだってばよ!うぉりゃーー!!」
「ぎゃあああああ!!お前ら、こっちには人質が〜〜!!」
「うるさい黙れ、そして馬に蹴られて死ね!!」
2人とも話なんて聞いていない。
男の風上にも置けない輩を即刻死刑に処すため、2人がかりで殴る蹴るの暴行を加え始めた。
「おー、ボッコボコにされてやんの。おもしれー。」
「性犯罪者の末路には相応しいな。フッ。」
巻き込まれると危ないのでドサクサ紛れにホタルの回収だけ済ませてから、
焚きつけた張本人たちはのんきにリンチ大会の見物を始めた。


:違うって分かってて誤誘導。伏字部分はご自由に補完してください。
 ドサクサ紛れに占有権主張してる奴は気のせいです。

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5.伸し餅と丸餅
(……なあ。)
(何だ、こんな時に。)
ホタルに封印された禁術の処遇を巡って話している時に、神疾が不意に声を潜めてウタカタに話しかけた。
(あのピンク頭、胸無いよな。)
(あー……ホタルの隣にいるせいじゃなくてか?)
確かに木の葉から来たピンク頭、もといサクラはホタルと比べると胸元が寂しい。
しかし何で今、よりによってそんな事をという疑問は大いに湧いたが、適当に流す。
(それ以前だろあの伸し餅。確かに並べたせいで余計目立ってるけどな。)
(ぶっ!)
例え文句が壷にはまって、ウタカタはつい噴き出した。
盆地や洗濯板なら耐えられる自信があったが、食い意地由来の変化球には対処しきれない。
「ちょっといいですか、そこのお二人。」
ぴくぴくと眉根を引きつらせて、サクラが切り出す。ばれたようだ。
「は?何だよ。」
「人がまじめに話してる時に、平たいとか盆地とかはないんじゃないですか?」
ここは禁術の処遇について真剣に話し合っている席だ。
間違っても人の胸についてこそこそ論じる場ではない。しかし、その極真っ当な抗議で懲りる神疾ではなかった。
「んな事言われても、嫌でも目に付くんだよ真っ平ら。」
「まっ……まっ……真っ平らですってー?!」
無神経極まりない反論で、サクラの堪忍袋の緒が一気に切れた。
「わーっ、サ、サクラちゃん!抑えてー!」
「止めないでよナルト!これは乙女に対する侮辱よ!」
「霹靂様、セクハラです!」
暴れるサクラをナルトが必死に抑える横で、ホタルも柳眉を吊り上げた。
世間知らずな彼女だが、女性のコンプレックス刺激は断固反対らしい。
「何で平べったくない方まで騒ぐんだよ。あーもー、うるせーないちいち。」
「自分でまいた種の癖に……。
もう平らでも大盛りでもどうでもいいだろう。後にしてくれ後に。」
「どうでも良くないですよ師匠!女の子には重要なんです!」
「そうよ!ちょっとあんたら表出なさい!そのきれいな顔を殴らせろー!」
「出ろって言われて誰が出るかよバーカ!」
「ああ……話がどんどんこじれて。」
いきなり勃発した後は、油が注がれるばかりの喧嘩で、ヤマトは頭を抱えた。
そんな彼の耳にさらさらと筆で書き込む音まで聞こえてくる。
「なるほど、女性は胸の話題に触れると貧乳巨乳問わず怒り出す……。
また一つ勉強になったな。」
「サイ、感心してる暇があったら何とかしてくれないかな……あれ。」
大いに感心した様子で、サイは熱心にメモ帳に書き込むが、
話を本題にまで戻す手間を思うと、横のヤマトは心底胃と頭が痛かった。

:ウタカタは藪蛇。神疾は無神経。


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6.餅議論の後
「馬鹿か貴様らは。」
顛末を聞いた狐炎が、開口一番にそう言った。当然呆れ果てた顔をして。
「何だよ、あれ位でマジギレするガキが悪いだろ?」
「それを分かっているなら、狭量な方の反応を見越して口を利くのが大人だろうが。
全く、鈴音ではないがお前の無神経には呆れて二の句が継げぬな。」
野暮天が大嫌いな風流好みの彼女が聞いたら、
わざとらしい大きなため息をついた挙句、散々馬鹿にしてくれそうな体たらくだと狐炎は思う。
だから感想を言ってたしなめてやると、神疾はむっとして眉を吊り上げる。
「うっせー、余計なお世話だよ。」
「俺は悪くない。先に話を振ってきたのはこっちだからな。」
「テメーだって怒らせてただろ!」
ウタカタが責任逃れをしたせいで、あっという間にコンビ内の喧嘩に発展する。
ぎゃあぎゃあ言い合う二人の目には、もう狐炎の事も、そして隣で呆れ返ってるナルトの事も入らない。
「狐炎……何でこいつらってば、こんな女心を逆撫でしまくっちゃうわけ?」
中身と同類の表情になったナルトが、げんなりとしながらぼやく。
胸のことは女性にとってタブーだと、15年しか生きていない彼にでさえ理解できるエチケットだと言うのに。
「追求するだけ無駄だ。馬鹿と鈍感に付ける薬はない。」
「あ、超納得。」

:女心への配慮指数比較・六尾コンビ<デリカシーの壁<九尾コンビ


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