おせっかい


ああ、ナルトが心配。もう、目を離せない位心配よ。
自分の事だってもてあましそうなのに、どうして人の方に首をつっこむの?
そう言われたとしても、私はナルトの方が心配なの。
だってだって、あの子ときたら。
顔は可愛くて、胸だってあたしよりもあるのに、てんで無自覚で。
お色気の術!なんてやってボンキュッボンの魅力が分かってるくせに、狙ってる時以外は超無防備で。
同じ班になるまでは親しくなかったから、
目立ちたがりのあの子の行動の意味を勘違いして、反感を覚えたりもしたけれど。
本当に何にもわかってなくてやってると知ったら、もう心配で仕方なくなった。

そんな時、どこでナルとの事を調べたか知らないけど、
すごく遠い親戚のお兄さんっていう狐炎さんが来て。
かっこいいなとか、何でも出来ていいなあとかナルトをうらやんだりもしたけど。
それはおいておいて。
ナルトにそういう常識が欠けているのは、
イヤミとかじゃなくてそばに大人がいないのもあるからと思ってたから、
実はちょっと期待してたりもしたの。
見るからにまじめそうだし、ちゃんとナルトをしつけてくれないかなーって。
やっぱり、身近で教えてくれる人が居るのと居ないのとじゃ、全然違うもんね。
その予想は外れなかった。でも、ナルトの強烈なブラコン?っぷりまで知る羽目になったけど。
アカデミーの時にイルカ先生にすっごくなついてたのは見てたけど、
まさかあの人にまでああいう態度に出るとは思わなかったわ。
ほんとに家族が出来て嬉しいんだなっていうのは分かるんだけど、ちょっとやりすぎよね。
そう思ったけど、本気でやめさせるなんて言うのはできなかった。
だって今までずっと、家に帰ったら一人ぼっちだったんだもの。
よく考えれば、たとえば一人で夜にご飯食べたりするのだって、すごく寂しいのよね。
それが毎日なんだもの。甘えられる人が出来たら、甘えちゃうわよね。
12歳なら、まだ大人は子供って目で見てくれるから、いっぱい甘えときなさいよ!
ともこっそり思ったけど。
けど、よ。
子供のうちにあんなレベル高い人と一緒に暮らしてたら、
将来彼氏がちゃんとできるのかって、思っちゃった。
そんな心配、杞憂でしょ?なんていった奴は横っ面張ってやるわ。
女の子は、お父さんにどっかが似てる人を旦那さんにするって言う話もあるんだから。
ちょっと違うけど。でも、あの人が基準になったら、世の中の男の半数以上が芋とかぼちゃ。
残るのは、サスケ君以上のレベルくらいじゃないのかしら。
本気でそう思っちゃう。
しかもナルトったら、理想の人が「イルカ先生みたいな人か、あたしより強い人」なんて、
ただでさえ贅沢だって言うのに!
これ以上贅沢になったら、ほんとにナルトの眼鏡にかなう人がいなくなるっていう危機感が湧くのよね。
そりゃ、ナルトは可愛いからもてることはもてると思うけど、
それと恋人が見つかるかは別問題なのよ。
ああもう、ほんとに大丈夫なのかしらこの子は。
そう思って百面相してたせいで、サスケ君に変な目で見られるし。
もう、ナルト!あんたが心配かけるせいよ。そう言ったって、私が勝手に心配してるだけなんだけどね。

そんなこんなで、今日も私はナルトの観察。
傍から見たらストーカーみたいに聞こえるけど、
堂々と一緒に居る時とか、たまに帰りにこっそりついてくとかしかしてないし。
ついていくのはちょっとまずいかもしれないけど、ナルトが心配だからしょうがないの。
そんなある日。
「我愛羅ー!」
その時のナルトの顔を、私は見逃さなかった。
なんだ。ちゃんと好きな人、居たのね。やっぱりレベルは高い気がするけど。
そういうわけで、私の心配は一つ消えた。
すぐにたくさん増えるけど、それは逆に楽しみかもしれない。
おせっかいかもしれない。
でも、無自覚で危なっかしいナルトの恋を、私はずっと応援するつもり。
だって、将来お互い幸せで居たいんだもん。

―END― ―戻る―
サクラ一人称。♀ナルトが危なっかしくてはらはらしているというネタで。
こういうタイプのネタは使ったことなかった気がするんで、楽しかったですよ。
で、こっそり最後に我ナルコ。彼らはなかなか進まないので、サクラの心配のネタは尽きないでしょう(笑
そういや自分も友人に天然さんが居ますが、やっぱほっとけないタイプって居ますよねぇ。
この子放っといたらいかんよ!的な。

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